【テーマ】胸郭の機能障害に対する理学療法:講義編~高齢者の胸郭の機能障害と理学療法~
【日 時】平成27年11月29日
【講 師】田中 創
先生 城内 若菜 先生 梅田 泰光 先生
【参加者】45名
【報 告】
今回はメディカルプレス発刊の月刊誌である「理学療法」の中で,高齢者の胸郭の機能障害と理学療法を執筆された3名の先生をお招きしてセミナーを開催いたしました.
はじめに九州医療スポーツクリニックの田中先生に高齢者の胸郭の機能障害について,関連する文献等を提示いただきながら分かりやすく「概論」を伝えていただきました.ロコモティブシンドロームに代表されるように,加齢に伴う変性疾患は独立したものではなく併存するものであるため,胸郭単体で捉えるのではなく,身体全体としてみていく必要性について説明いただきました.
その後,成尾整形外科病院の城内先生に具体的な胸郭の「評価」について実技を交えながらお伝えいただきました.今回は講義編として開催しているため,実技にあまり時間を割くことはできませんでしたが,臨床に活かしていくためのエッセンスを分かりやすくお伝えいただきました.
城内先生は海外でのセミナーの受講や英文の翻訳をされていることもあり,和文の論文だけでなく海外の論文を多数提示いただいたり,ご自身が海外で経験されたことなども交えてお話しいただき,幅広い視点で評価を行っていく必要性を感じました.
午前中のお二人の話を踏まえて,午後からは筑後市立病院の梅田先生に胸郭の「治療」について講義を行っていただきました.ここでは治療の方法論もさることながら,なぜその治療を選択するのか?という部分の重要性を改めて評価の視点から伝えていただきました.
梅田先生が評価の中で素早くポイントを絞り込んでいく過程とそれに対してどのような治療を施していくのか?という点を,デモンストレーションを交えて具体的に説明いただき,明日からの臨床でのイメージが大きく膨らむ時間となりました.
今回は「講義編」として座学を中心としての開催となりましたが,来年の夏頃に「実践編」として実技を中心としたセミナーを開催予定です.今回学んだことをベースに胸郭の機能障害をどのように見出していくのか?また,それに対してどのように介入していくのか?という視点をグループワークで学んでいきます.今回ご参加いただいた方にも,そうでない方にも臨床に活かしていただける良い機会になると思いますので,多くの方のご参加をお待ちしております.