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センスアップセミナー 最終回

【テーマ】センスアップセミナー ブラッシュアップバージョン 第4

【日 時】平成27926-27

【講 師】山口 光國 先生(セラ・ラボ代表)

【参加者】25

【報告】

 1年間を通してシリーズで行ってきたセンスアップセミナーですが,その集大成はこれまでのセミナーを通して学んできたことをアウトプット(発表)する場です.どれだけインプットを通して学んでも,言語化(実践に落とし込む)できなければ理解レベルで終わってしまい,実践レベルまで到達させることができません.そういった意味からも当法人で実施したセンスアップセミナーでは,最終的に受講生に発表いただくことを条件として実施しました.

 

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 症例を通して疑問に感じていること,悩んでいること,自身の臨床での取り組みなど,受講生のカラーが出た様々な発表を聞くことができました.


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 それぞれの受講生の発表に対して山口先生の鋭い突っ込みが入ります.同一の発表を聞いた際に山口先生がどのように解釈しているのか?その視点を聞くところにこの発表の醍醐味があります.山口先生はその症例が出しているサイン(事実)を見逃さずに,そこを掘り下げていきます.どう解釈するか?が大切ではなく,患者さんが実際に出しているサイン(事実)から掘り下げていく作業です.


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 受講生の発表のあとは山口先生による本セミナーの統括を行っていただきました.定型的技術と適応的技術をテーマに1年間の集大成の講義を行っていただきました.

 

 正解が用意されている定型的技術,正解が用意されていない(その都度対応の変化が求められる)適応的技術.前者はわれわれ医療者にとっては「命を守る(リスク管理)」ことであり,後者はそのような中での臨床における臨機応変な対応に置き換えられるかと思います.ただし,Artな要素が強い適応的技術を実践していく上でも「知識」が必要であることを前提条件としてお話しいただきました.

 

 そのような中で答えが用意されているという前提の解釈の中で「探す」という行為ではなく,「考える」ことの必要性を改めて説いていただきました.「考える」とは「視点を変えること」,そして考えるためには「言語化」することが重要であることを伝えていただきました.

 

 誰もが自身の成長を望み,日々葛藤していると思います.その中で「できるようになる」ことは通過点でありゴールではないこと,「できることを考える」とは,「関係の中で生かしてあげること」を指し示していただきました.エビデンスは従うものではなく,利用するもの.そして,嫌な事も,言葉も生かしていくこと...


 

 アメリカの神学者であるラインホルド・ニーバーの「ニーバーの祈り」より...

 

 神よ

 変えることのできるものについて,

 それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ.

 変えることのできないものについては,

 それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ.

 そして,

 変えることのできるものと,変えることのできないものとを,

 識別する知恵を与えたまえ.

 

 ニーバーの祈りの引用より,識別する知恵そのものが,今回のテーマである「考える力」であること,そのためには「言語行動」が重要であることを最後に伝えていただきました.そして,言語行動を実践していくためのポイントは関係の中での「派生」と「類推」であることをメッセージとしていただきました.

 


【派生】ある源から別の物または事が枝分かれして生ずること

 

【類推】類似の点をもとにして,他を推しはかること

論理学で,2つの事物の間に本質的な類似点があることを根拠にして,一方の事物がある性質をもつ場合に他方の事物もそれと同じ性質をもつであろうと推理すること.結論は蓋然的.類比推理.類比.比論.アナロジー.

 

(文責:田中 創)

2015年10月

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