【テーマ】発達障害と不器用さ〜相互の行動変容に向けて〜 イントロダクション
【日 時】平成27年7月19日(日)
【講 師】中尾 繁樹 先生(関西国際大学 教育学部教育福祉学科 教授)
【参加者】32名
【報 告】
中尾先生による「発達障害と不器用」をテーマにしたシリーズ(全8回)のセミナーがいよいよ始まりました.初回はイントロダクションとして,発達障害とは?不器用とは?というテーマでご講義いただきました.
連休の中日にも関わらず,保育士,小・中・高の教員,専門学校の教員,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士...など,多種多様な立場の方に数多くご参加いただきました.このようなセミナーを通して,地域のネットワークが広がっていくことも期待しています.
中尾先生の講義は理論や方法論ありきではなく,目の前の人のその現象は"なぜ"出現しているのか?"どうして"そのような行動を取らなければならないのか?といった「現実」を通しての「本質」を問うものが多く,自身の経験との対比をしている間に3時間という時間がアッという間に過ぎていきます.
かと言って,理論や方法論を軽視しているわけではなく,そういった根本のコンセプトを押さえつつ目の前の方との経験を積まれているからこそ,多くの方がその内容に魅かれるのだと感じました.
笑いや運動を取り入れて楽しく講義をされたり,臨床事例を通してその本質を問う講義をされたり,メリハリのある講義で終始和やかな中にも多くの考えるキッカケを散りばめていただく時間となりました.
個人的には,様々な可能性を秘めた対人関係だからこそ,その関わりや支援の方法一つで,対峙している方のその後を大きく左右し兼ねない仕事に関わっていることを改めて自覚させられる時間になりました.教育者という立場として,セラピストという立場として,親として,地域に関わる1人の人間として...
今回,中尾先生とともに公益財団法人日本健康スポーツ連盟で「生涯スポーツトレーナー教本」を書かれている油谷信隆先生がたまたま別のセミナーの講師として九州医療スポーツ専門学校に来られており,奇跡の2ショットを撮ることができました(左:油谷先生 右:中尾先生).
中尾先生はこの教本の中で子どもの分野を,油谷先生は高齢者の部分をそれぞれ分担執筆されています.お二人ともに非常に魅力のある先生で,共通しているのが「人」を観ているところです.身体を通して心を,心を通して身体を...表現の方法は違えど,根っこの部分はとても共通した「想い」を持っておられると感じました.とても貴重な時間となりました.
今回の中尾先生のセミナーはイントロダクションとして,次回からのシリーズに繋がる内容で講義を行なっていただきましたが,今後の内容はスポットとして部分参加いただくことも可能ですので,ご興味がある方はぜひお越しください.以下のページからお申し込みを受けております.
http://www.kmsv.jp/skillup/201507_201602.php
(文責:田中 創)