テーマ】地域包括ケアシステムの中でのリハビリテーション職種の役割 Part Ⅳ
「模擬地域ケア会議」
【日 時】平成27年3月9日(月)
【講 師】 竹下 真大先生(PT) 籾井 剛士先生(OT) 藤川 仁先生(ST)
【参加者】34名
【報 告】
今回は地域包括ケアシリーズの第4回となります.
最終回と順番を入れ替えて,地域ケア会議を想定したグループワークが行なわれました.
はじめに,下記の配役で「模擬地域ケア会議」を行なって頂きました.
行政(コーディネーター)役:竹下先生
地域包括支援センター 保健師 役:藤川先生
介護支援専門員 役:籾井先生
理学療法士 役:瀬尾先生
管理栄養士 役:亀谷先生
通所リハビリ 管理者 役:井上先生
訪問介護 管理者役 :柴田先生
提示された資料から要点を絞り込み(必要な情報の分解),その情報を元にそれぞれの職種の視点から意見交換が行なわれます.
自宅での生活状況は?ADLは?IADLは?
運動において注意すべき点は?現時点でどのようなリハビリをされているのか?
栄養状態はどうか?環境因子で考慮すべき点はないか?などなど...
その方の生活に関わる様々な要素を分解していき,専門職の視点から議論します.
その際,セラピストには運動,生活,行動に関わるプロフェッショナルとしての意見が求められます.むしろ,地域ケア会議の中では率先してセラピストの強みを活かした問題定期や解決能力が期待されているようです.
そのためにも,目の前にいる方の本質に迫れる視点が必要になるのだと思います.
模擬地域ケア会議のあとには,それぞれのグループに分かれて,同じように地域ケア会議を想定した会議を行なっていきました.
その方は生活のなかで自立できるのか?
どれぐらいの期間で自立できるのか?
そのために,必要なサービスやリハビリの内容は?
ディスカッションした内容を発表して頂き,それを講師と参加者でシェアしました.
その考えの根拠は?ゴール設定の期間は妥当か?自立したあとのリハビリの継続は?
別に必要となってくるサービスはないか?...などなど
一つの要素を改善することですべてが達成できるわけでないので,複雑に絡み合う因子の中から優先順位や目の前にとってより重要な因子を見出していく視点が必要となります.
そのなかで,積極的にセラピストは助言・提言していく必要があります.
それが地域ケア会議のなかで求められているセラピストの役割です.
そして,会議ではひとつの「結論」を出さなければいけません.
Aというサービスを行なうと良い,この部分にもアプローチをしたほうが良い,生活の中で入浴にも食事にもアプローチをしたほうが良い...
行なったほうが良いことは数多くあれど,限られた資源の中でどのように最大公約数(複数の意見から共通に取り出せる最大の類似点,あるいは対立する意見の中でも共に妥協可能な落としどころ)を絞りこんでいけるか?
ココが重要な視点だと個人的には感じました.
今回もとても勉強になりました.
本シリーズも次回で最終回となります!!!
最後まで宜しくお願いします.
(文責:田中 創)