【テーマ】地域包括ケアシステムの中でのリハビリテーション職種の役割 Part Ⅲ
地域ケア会議のポイント〜生活機能評価と因子分解〜
【日 時】平成27年3月2日(月)
【講 師】 竹下 真大先生(すばる代表 PT)
【参加者】37名
【報 告】
シリーズ第3回目となる本セミナーでは,前回提示頂いた症例をもとにグループディスカッションが行なわれました.
・利用者基本情報から得られるものは?
・介護予防アセスメント(基本チェックリスト)から得られる情報は?
・生活機能評価から得られる情報は?
数ある情報の中から利用者にとって必要なポイントを短時間で,かつ的確に推察する.
いま,利用者にとって優先すべきなのは機能面?ADLの向上?環境面の改善?...
山の登り方は色々あれど,その方にとって最適な手段を,地域ケア会議の中では短時間で見出すことが必要ということでした.
山を間違えないことはもちろんのこと,その登り方を色々と提供できる(可能性の選択肢を付与する)ことが大切になります.そして,最大公約数でその方の望み(作業)に近づけること.ここが大きなポイントとなります.
それらのために必要となるのが,今回のテーマでもある「生活機能評価と因子分解」です.
その方は,ADL?IADL?どちらに困っているのか?
ADLであればどのADLなのか?
入浴に困っているのであれば,どの部分ができずに困っているのか?
そのできない部分は改善できるのか?
改善するとすれば,どの程度まで,どれぐらいの期間で改善するのか?
地域ケア会議の中では,これらの根拠を示すために,セラピストの視点が求めれるとのことです.ただ,セラピストとして関わる中で別の要素として大切になるのは,改善する見込みがある要素に対してアプローチを図っていく視点もさることながら,その方にとって"活動参加のきっかけ"となるような「作業」を見出していく視点も大切であることを今回の講義のなかでは教えて頂きました.
医療,介護,教育,研究など,働いている環境に関わらず,このような視点(因子分解)を持つ事は非常に大切だと感じました.
次回はいよいよ「④模擬地域ケア会議」です.
別の症例を通して実践的なポイントを学んでいきます!
次回までに今回の症例のポイントについておさらいをしておきましょう.
(文責:田中 創)